2024/10/31
南海トラフ地震に備えてできることは?リスク分散になるトランクルーム活用法も紹介
2024年8月に初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、不安に思われた方も多かったのではないでしょうか。
今後発生する可能性がある南海トラフ地震ですが、被害を軽減させるための対策は可能です。今日からすぐにできる防災対策もありますので、必要以上に不安にならず、冷静に災害への備えをしていきましょう。
こちらの記事では、南海トラフ地震臨時情報が発表されたときの対策や、日頃からしておきたい防災対策をご紹介します。南海トラフ地震に備えて、防災対策をしっかりしておきたい方は参考にしてみてください。
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南海トラフ地震とは
南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として過去に大きな被害をもたらしてきた大規模地震のことです。
これまで100年~150年の周期で大規模地震が発生しており、今後30年以内にマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率は70~80%(令和4年1月1日現在)とされています。
過去に行われた被害想定では津波による死者が最大で22万4千人と甚大な被害が想定されていましたが、地震直後に避難を開始する人の割合が高くなり、さらに津波情報の伝達や避難の呼びかけが効果的に行われた場合は、その想定に比べて約8割の被害軽減効果があると推計されています。
日頃からしっかりと備えをし、いざという時に迅速に避難行動がとれるようにしておくのが望ましいです。
参照元:内閣府 防災情報のページ「1.南海トラフ地震とは?」地震は一度では終わらない可能性
内閣府の情報によると、過去に南海トラフ沿いで巨大地震が発生した後に、時間差で再び巨大地震が発生した事例があると記載されています。
南海トラフ沿いでは、1854年の安政東海地震・安政南海地震が約32時間の間隔を置いて発生した事例や、1944年の昭和東南海地震・1946年の昭和南海地震が約2年間の間隔を置いて発生した事例など、時間差で巨大地震が発生した事例が知られています。
南海トラフ沿いの8事例の大規模地震のうち、少なくとも5事例は東側・西側の両領域がほぼ同時若しくは時間差をもって破壊しています。
今後、もし南海トラフ沿いで巨大地震が発生した場合、過去と同様に時間差で巨大地震が発生する可能性があるので、注意が必要です。
「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたら
2024年8月に「南海トラフ地震臨時情報」が気象庁から発表され、戸惑われた方も多かったのではないでしょうか。
そもそも「南海トラフ地震臨時情報」とはどういったものなのでしょうか。内閣府の防災情報のページを見ると以下の説明がされています。
「南海トラフ地震臨時情報」は南海トラフ沿いで異常な現象を観測された場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合等に、気象庁から発表される情報です。
情報名の後にキーワードが付記され「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」等の形で情報発表されます。
「南海トラフ地震臨時情報」に関するキーワードには、調査中、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査終了があり、「南海トラフ地震臨時情報」が発表される際は政府や自治体からキーワードに応じた防災対応が呼びかけられます。
以下に「南海トラフ地震臨時情報」の各キーワードごとの意味や対策を記載していますので参考にしてみてください。
南海トラフ地震臨時情報(調査中)の場合
南海トラフ沿いで発生した地震がきっかけで今後、大規模な地震が発生するかもしれないことから、その可能性を調査しているときに発表されます。
対策としては、状況に応じて避難等の防災対応を準備・開始し、今後の情報に注意するようにしましょう。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の場合
南海トラフ沿いで発生した地震がきっかけで南海トラフ沿いで大規模な地震が発生する可能性が高まっているときに発表されます。
対策としては地震への備えを再確認し、地震が発生したらすぐに避難できる準備をすること、地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は一週間の事前避難を行うのが推奨されます。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の場合
巨大地震の発生に注意が必要な場合に発生にされます。地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をしましょう(事前の避難は伴わない)。
南海トラフ地震臨時情報(調査終了)の場合
南海トラフ沿いで観測された異常な現象が、南海トラフ地震(巨大地震警戒)、南海トラフ地震(巨大地震注意)のどちらにも当てはまらない現象だと評価された場合に発表されます。
ただし、この発表が出たからと言って大規模地震発生の可能性がなくなったわけではありません。地震の発生に注意しながら通常の生活をしましょう。
南海トラフ地震臨時情報は、必ず地震が発生するというものではなく「地震が発生する可能性が高まっている」という情報になります。冷静に対応しましょう。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒・巨大地震注意)が発表されたときの具体的な対応については記事の後半で解説していますので、そちらもあわせて確認してみてください。
参照元:内閣府 防災情報のページ「4.南海トラフ地震臨時情報が発表されたら何をすればいいの?」地震発生後の行動を時系列別に紹介
大きな揺れが発生すると慌ててしまいます。少しでも冷静に対応できるよう、地震発生後の対応をあらかじめ把握しておきましょう。
地震発生後の行動
- 地震発生時は身の安全を確保する
- 揺れが収まったら慌てずに周囲を確認
- 周囲の安否確認をする
- 避難生活を送る
地震発生時は身の安全を確保する
地震発生時の場所ごとに、安全を確保するための対応を記載しています。揺れを感じたら以下を参考に行動をしましょう。
家の中にいた場合
物が落ちてこない場所や倒れてこない場所(丈夫な机の下など)に避難する、またはクッションなどで頭を保護してください。
路上にいた場合
窓ガラス、看板などが近くにある場合は頭をカバンなどで保護して公園などに避難してください。この時、ブロック塀や自動販売機など下敷きになりそうな危険のある物に近づかないようにしましょう。
車を運転中の場合
ハンドルをしっかり握り、徐々にスピードを落として道路の左側にとめてエンジンを切ります。
揺れが収まるまで車内から周囲の状況を確認しましょう。車外へ出る際はキーはつけたままにし、ドアロックもしないようにしてください。
電車、バスに乗車中の場合
緊急停車にそなえ、立っている場合はつり革や手すりをしっかり握ってください。座っている場合は前かがみになります。
電車の場合、網棚から荷物が落下する可能性があるのでカバンなどで頭を保護しましょう。
海や川の近くにいた場合
速やかに高台など安全な場所へ避難しましょう。
揺れが収まったら慌てずに周囲を確認
揺れが収まったら慌てずに以下を確認・対応しましょう。
- 家族の無事を確認
- 火元の確認
- 靴に履き替える
- 屋内にいる場合は、外への避難経路を確保
- 急に外に飛び出さない
家族の無事を確認
家族が家具・家電の下敷きになっていないか、落下物や飛散したガラスでけがをしていないか確認しましょう。
火元の確認
出火していれば初期消火を行いましょう。靴に履き替える
ガラスが飛散している場合、靴下やはだしのままだとけがをしてしまうので靴に履き替えましょう。
また、周囲に火災が発生している、津波が発生する恐れがあるなど周囲の状況によっては避難が必要なので、すぐに避難できるよう靴に履き替えておくのがベストです。
屋内にいる場合は、外への避難経路を確保
避難ができるように外への避難経路を確保しましょう。ドアや窓をあけて避難経路を確保してください。自宅をあける場合はブレーカーをきって、ガスの元栓もしめておきましょう。
急に外に飛び出さない
看板や瓦、電線、ガラスなどが落ちてくる可能性があります。周囲の安全を確認してから外に出ましょう。避難する際はブロック塀や自動販売機など転倒する恐れのある物を避けて避難するようにしてください。
周囲の安否確認をする
家族の安全が確認できたら、ご近所の方の状況を確認しましょう。救助が必要な人や、けが人がいたら応急手当をします。
避難生活を送る
自宅で身の安全が確保され、引き続き住むことができる場合は在宅避難をしましょう。
避難所では、感染症のリスクが高まりますし、環境の変化から体調を崩す恐れがあります。また、避難所によってはペットと一緒に避難ができないことも。
在宅避難なら普段と同じように過ごせて安心です。在宅避難を想定している場合は、建物の耐震化をしたり、水・食料・日用品などの備えを用意したりしておきましょう。
自宅での生活ができない方や、支援が必要な方は避難所で避難生活をしましょう。
日頃から南海トラフ地震に備えてできること
こちらでは地震発生に備えて日頃からできる対策をご紹介します。
南海トラフ地震に備えてできること
- ハザードマップで避難場所・避難経路を確認しておく
- 家の中の安全対策をする
- 自宅周辺の安全対策をする
- 非常用持ち出し袋を準備しておく
- 水の備蓄をする
- 食料品の備蓄をする
- 携帯用防災グッズを用意する
- 建物の耐震化をする
- 家族間で連絡手段を把握しておく
- キャンプで避難時の生活になれる
- 自宅から避難訓練をする
ハザードマップで避難場所・避難経路を確認しておく
自宅はもちろん会社や学校など、普段よくいる場所のハザードマップを確認しておきましょう。
ハザードマップとは、被災想定区域や避難場所・避難経路などを表示した地図のことです。ハザードマップを確認することで災害リスクや危険な場所、適切な避難経路をあらかじめ把握することができ、適切な避難行動がしやすくなります。
使い慣れた道でも災害時は危険な場所になる可能性があるのでハザードマップを確認し、避難経路を決めるのがいいでしょう。
避難時に家族がバラバラになってしまうことも考えられますので、家族で待ち合わせ場所を決めておくのもおすすめです。
また、初めて行く場所では非常口をチェックする習慣をつけておくと、もしものときに慌てずに避難することができるでしょう。
家の中の安全対策をする
けがや逃げ遅れを防ぐために、家の中の安全対策をしておきましょう。
- 家具の転倒防止対策
- 引き出しの飛び出し防止対策
- 植物を飾っている場合は落下防止対策をする
- 感震ブレーカーを設置する
- 家具を置かない、または必要最低限に減らす
- 出入口や、廊下にある邪魔な荷物を片付ける
- 窓ガラスに飛散防止フィルムをはっておく
- 暖房器具の近くに燃えやすいものを置かない など
過去にマグニチュード7.3の規模で発生した阪神淡路大震災では、負傷者のなかには建物に特別な被害がないにもかかわらず、家具の転倒や散乱によって、逃げ遅れたり室内でけがを負った方も多数含まれていました。
強い揺れが発生すると食器棚は扉が開いて食器類が散乱し、テレビや電子レンジが飛ぶといった、信じられないような現象が起こります。
また、室内に家具や家電が散乱すると避難が遅れてしまい、二次被害のリスクが大きくなるので、できるだけ安全対策をしておくのが理想です。
参照元:総務省消防庁「地震による家具の転倒を防ぐには 」自宅周辺の安全対策をする
家の中だけでなく自宅周辺も安全対策をしておきましょう。以下は自宅周辺の安全対策の一例です。
- ブロック塀の補強、修理をする
- 玄関やガレージの出入口付近の邪魔な荷物を移動する
- 瓦屋根の改修工事をする(2001年より前に建てられた瓦屋根の建築物で、2001年以降に屋根が改修されていない場合)
- ベランダにある物を片付ける など
強い揺れによってベランダから荷物が落下したり、ガレージの荷物が邪魔で逃げ遅れるなどのリスクが考えられます。家の中だけでなく自宅周辺も含めて安全対策をしておくのがいいですね。
ガレージに荷物が散らかっているという方は以下の記事を参考に整理整頓してみてください。
非常用持ち出し袋を準備しておく
地震発生時に、必要な品をまとめている時間はありません。場所によっては火災や津波が発生し、迅速な避難が求められます。
すぐに逃げられるように非常用持ち出し袋を準備しておきましょう。非常用持ち出し袋を用意するときのポイントは、重くなりすぎないように必要最小限の物にしておくことです。あれもこれもと荷物をつめこんでしまうと、避難行動に支障が出ます。
非常用持ち出し袋に入れておきたい物や保管場所などは以下の記事を参考にしてください。
水の備蓄をする
地震によって断水が発生する可能性がありますので、水の備蓄をしておきましょう。ライフラインの復旧に時間がかかることを想定し、最低3日分、できれば一週間分備えておくといいでしょう。
一人当たり1日約3リットル必要とされているので、1週間分の水の備蓄をする場合は21リットルが必要となります。詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
食料品の備蓄をする
水とあわせて備蓄しておきたいのが食料品です。災害後の72時間は人命救助、救急活動を最優先して動いていることから、物資の支援が遅くなってしまう可能性があります。
食料品も最低でも3日分、余裕をもって一週間分の食料品を備えておきましょう。以下の記事に大人2人分の1週間分の食料備蓄品のリストを記載していますので、参考にしてみてください。
携帯用防災グッズを用意する
地震は自宅にいるときに発生するとは限りません。外出先や移動中などで被災する可能性もあることから、携帯用の防災グッズを用意しておくといいでしょう。
携帯用の防災グッズには外出時に被災したときにあると便利なものを入れておきましょう。たとえば以下です。
- ホイッスル
- ライト
- モバイルバッテリー
- アルミブランケット
- 除菌シート
- 非常用トイレ
- 絆創膏
- 常備薬
- バンダナ
- ビニール袋
- 携帯食(飴やチョコ、ようかん)
- 現金 など
防災グッズを携帯する際はプラスチック製のボトルを活用するのがおすすめ。カバンやリュックの隙間にいれておくことができ、持ち運びしやすくなります。
建物の耐震化をする
阪神・淡路大震災では犠牲者の8割が建物の倒壊による頭部損傷や窒息などが原因で亡くなっており、命を守るなら耐震化は必要な対策と言えます。
ただ、建物の耐震化が重要とわかっていても、費用負担が大きく、なかなか手が出せない対策ですよね。まずは、耐震診断を行って自宅の耐震性の有無を確認してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
家族間で連絡手段を把握しておく
地震発生によってケーブルの切断や基地局の稼働停止、通信制限が発生するなどしてスマートフォンや電話がつながりにくくなってしまいます。
スマートフォンが使えない場合に備えて、スマートフォンの代わりとなる以下の連絡手段を知っておくといいでしょう。
- 公衆電話の場所、使い方
- 災害用伝言ダイヤルの使い方
停電や通信制限が発生した場合でも公衆電話は使用可能です。いざというときに備えて公衆電話の場所や使い方を知っておきましょう。 公衆電話の場所はNTT東日本の「公衆電話 設置場所検索」 から調べることができます。
災害用伝言ダイヤルは、災害の発生によって被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になったときに提供開始されるサービスです。伝言の録音・再生ができ、いざというときの連絡手段として活用できます。
キャンプで避難時の生活になれる
南海トラフ地震で大きな被害が発生した場合や、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表されて事前避難をする場合は避難生活をおくることになります。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)では一週間程度の事前避難が必要になることもあり、通常の生活とは異なる生活になれておくことも重要です。
たとえば、避難時の生活を想定してキャンプをするなど平時とは違う状況になれておくと、いざというときも環境に適応しやすいでしょう。
自宅から避難訓練をする
学校で行われる避難訓練を家庭でも実施してみるのも防災対策のひとつとして挙げられます。
避難場所がわかっていても、道に慣れてないと迷ってたどり着けないことも考えられます。沿岸部では津波のリスクもあり、迅速に避難できるかが命にかかわってきます。
また、非常用持ち出し袋を持ってスムーズに避難できるかどうかも重要です。荷物が負担になってしまっては避難に支障が出てしまいます。こうしたことをふまえ、災害発生時を想定して自宅から避難訓練を行い、迅速な避難をできるように備えておくのがいいでしょう。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒・巨大地震注意)が発表されたときはどうする?
巨大地震が発生した場合、隣接する領域でも巨大地震が発生する可能性が高いことから「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が呼びかけられ、政府や自治体から住民に対して防災対応をとるよう求められます。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒または巨大地震注意)が発表された場合は、以下の対応を行いましょう。
備えを確認しておく
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、巨大地震が発生する可能性が高まっているという状況なので、備えを再確認しておきましょう。
自宅から避難先へ持っていく非常用持ち出し袋の準備・再確認と、在宅避難をする場合に備えて備蓄品に不足がないか確認しておきましょう。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表されると買い占めが起こり、必要な備えが手に入らない可能性があります。日頃からしっかりと備えておくと安心です。季節によっては暑さや寒さ対策ができる品も用意しておくといいですね。
要配慮者は事前に避難する
要配慮者は、災害が発生した場合に情報の把握や避難などの活動が、円滑かつ迅速に行いにくい立場に置かれている方のこと。対象となる方は、高齢者や妊婦、乳幼児、児童、障害のある方や傷病者、外国人居住者などです。
自分自身で避難が困難で、円滑かつ迅速な避難が難しい場合は事前避難をしてください。要配慮者以外の方も避難準備を整え、状況に応じて自主的に避難しましょう。
寝るときもすぐに避難できる準備をしておく
事前避難が伴わない南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)でも、すぐに避難できるように準備しておくのがベストです。
地震はいつ起こるかわからないため、就寝中でも安心はできません。寝るときでも枕元に履きなれた靴や非常用持ち出し袋やヘルメットを置いて寝る、パジャマではなく避難できる服装で寝るなど、すぐに避難できる態勢を整えておきましょう。
できるだけ安全な部屋で生活する
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されている間は、できるだけ屋内の安全な部屋で生活をおくるというのも防災対策になります。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されたときに備えて、自宅に避難スペースを設けてみてはいかがでしょうか。
避難スペースになる屋内の安全な場所の例
- 窓ガラスがない場所
- 倒れる家具・家電が近くにない場所
- 倒壊する可能性がある建物なら、2階が安全
- 耐震性能が高い建物なら、揺れの少ない1階が安全
- がけ崩れの恐れがある場所なら、がけから遠い部屋にいる
正確な情報を入手する
地震発生時など、自然災害が発生すると真偽不明のさまざまな情報が飛び交います。
SNSで発信される情報には悪質なデマも含まれているので、地震発生後は市町村や都道府県、国が出す情報を確認するようにしましょう。
南海トラフ地震への備えにはトランクルームの活用もおすすめ
南海トラフ巨大地震の備えとして対策をご紹介してきましたが、「自宅に安全な場所がない」「通路が荷物でふさがれている」「備蓄をしたいけど置き場所がない」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。
その場合はトランクルームを防災対策として活用してみてはいかがでしょうか。トランクルームとは、自宅以外の収納スペースに荷物を預ける場所をレンタルできるサービスなのですが、活用次第では災害時のリスクを軽減させることができます。
防災対策として活用できるトランクルームは、屋内型トランクルームとコンテナ型のトランクルームが挙げられます。
続いては、屋内型トランクルームとコンテナタイプそれぞれの特徴や防災対策としての活用法をご紹介します。
屋内型トランクルームの特徴と活用法
屋内型トランクルームを防災対策として使うなら以下の活用法があります。
- けがや逃げ遅れを防ぐために不要な家具・家電、荷物を預ける
- 使わない荷物をトランクルームに預けて在宅避難用の備蓄品の置き場を確保する
- インフラ復旧後に必要な荷物を預けておく
屋内型トランクルームは名前の通り、屋内に収納スペースがあるのが大きな特徴です。ビルの一棟全体またはワンフロアが収納スペースになっています。
施設によっては24時間出入り可能で、ICカードで開錠できるスマートロックが導入されています。
ただし、スマートロックは便利な反面、地震が発生した場合は停電によりカギが開かなくなり、施設内に立ち入れない可能性があります。
トランクルームは停電後の復旧の優先順位が低く、災害発生時にすぐに必要な物は預けておくのはおすすめできません。預けるならインフラ復旧後に必要な荷物にしておきましょう。
屋内型トランクルームを防災対策として活用する場合は、二次被害につながりそうな家具・家電や荷物の置き場所として使うのがおすすめです。
大きな揺れが発生すると家具が飛んだり、転倒するなどして命の危険があります。とくに、寝室や高齢者がいる部屋には家具を置かないようにするのが望ましいです。
家具・家電をトランクルームに預けられれば、自宅内に安全なスペースを作ることができます。
地震発生時南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合、できるだけ安全な部屋で生活するのがベストなので、その際も適切な行動がとれるでしょう。
また、自宅にある不要な荷物をトランクルームに預けて自宅に備蓄品の置き場を確保するといった使い方もあります。
在宅避難では最低でも一週間程度の備えが必要になりますが、水の備蓄1人分だけでも一週間分となると21リットルも必要に!水の置き場だけでもかなりの場所が必要となります。
屋内型トランクルームには衣類や家具・家電、趣味のアイテムなど、さまざまなものを収納可能です。日常的に使わない物はトランクルームに預けておけば、自宅に在宅避難用の備えを置いておく場所を確保しやすくなるでしょう。
※トランクルームでは生ものや飲み物を保管しておくことはできないのでご注意ください。
コンテナタイプのトランクルームの特徴と活用法
コンテナタイプのトランクルームを防災対策として使うなら以下の活用法があります。
- 災害発生後すぐに必要な荷物を保管しておく
- 災害発生後、家財道具の一時保管場所にする
コンテナタイプのトランクルームは収納スペースが屋外にあるのが大きな特徴です。場所によっては車を横付けして荷物を預けることができます。アナログなカギが使われているので、停電時でも開錠することができ、地震発生後でもすぐに利用可能です。
ただし、コンテナタイプのトランクルームは外気温の影響を受けるので天候によっては品物が劣化しやすいのが難点です。劣化が心配なら定期的に預けたものの状態を確認するのがおすすめです。
コンテナタイプのトランクルームを防災対策として活用するなら、備蓄品の置き場にするのがおすすめ。カギさえあればトランクルームに行って必要な備えを取り出すことができます。災害時にあると便利な日用品や消耗品などの保管場所にしてみてはいかがでしょうか。
自宅が地震で倒壊したり、火災や津波の被害にあってしまうと、自宅にいくら備蓄品があっても備えが無駄になってしまいます。トランクルームに分散備蓄しておけば、自宅が被害にあっても必要な備蓄を使うことができ、安心です。
防災ではなく被災後の防犯対策になりますが、コンテナタイプのトランクルームは家財道具の一時保管場所としても活用可能です。災害発生により避難所生活をしている間、自宅は留守になるのでその間に、窃盗被害にあう可能性があります。
実際に2024年の元旦に発生した能登半島地震では、被災時の混乱に乗じてテレビなどの家財道具が盗まれる窃盗事件が起きており、防災だけでなく防犯対策が必要だといえます。
まとめ
今回は南海トラフ地震の発生に備えて対策やトランクルームの活用をご紹介しました。
南海トラフに限らず、地震はいつどこで発生するか予測できません。今回ご紹介した情報を参考に、いざというときの備えをしっかりと準備してみてはいかがでしょうか。
自宅に備蓄品の置き場がない方や邪魔な家具・家電を片付けたいという方はトランクルームの活用がおすすめです。
屋内型トランクルームには不要な家具・家電、荷物を預けて地震発生時の二次被害を防ぐ、コンテナタイプのトランクルームには災害発生後すぐに必要な備蓄を預けるなど、2種類のトランクルームを上手に使い分けて、安心への備えを厚くしてみてはいかがでしょうか。
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