2020/10/30
引越し難民とは?原因や予防策・解決策まで徹底紹介!
近年、メディアなどで耳にする機会が増えた「引越し難民」という言葉。
スムーズに引越し先での新生活を始めるためには、「引越し難民」にならないよう注意が必要です。
こちらの記事では、引越し難民が発生してしまう原因から、引越し難民にならないための予防策・解決策、そしてトランクルーム活用方法まで、引越し難民にまつわる情報をまとめてご紹介します。
これから引越しを予定している方や、引越し難民になりそうな方、あるいは引越しできずに困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそも引越し難民とは?
そもそも、引越し難民とはどのような状況を指すのか確認していきましょう。
引越し難民とは、引越ししたいのに何らかの理由で引越しすることができない人を指します。主に、引越し業者に依頼を断られた人や、高額な見積もり金額を提示されたため諦めざるを得ない人などです。
2018年頃からメディアで「引越し難民」という言葉が使われることが増え、毎年3月から4月にかけては引越し難民問題が取り上げられています。
引越し難民になってしまうと、引越し先に荷物を運べず新しい住まいで不自由な暮らしを強いられる、あるいは引越しを断念せざるを得ないケースもあります。
引越し難民の原因は?
ではなぜ、毎年3月から4月になると引越し難民が発生してしまうのでしょうか。
その理由として、以下の3つが大きな原因として挙げられます。
- 3月~4月に引越し需要が集中
- 引越し業界の人手不足
- 繁忙期の料金高騰
では、引越し難民が発生する原因について詳しく見ていきましょう。
3月から4月に引越し需要が集中
年度末・年度始である3月から4月は進学や就職、人事異動などが重なるため、新生活のための引越しが多くなります。
3月・4月の引越し件数は1年間の引越し件数の約3分の1を占めると言われており、急激に増加する引越し需要に対して引越しサービスの供給が間に合わなくなるのです。
また、引越し業者の中には法人と契約を結んで、人事異動が発生したときに優先して引越しできるようにしているところもあります。
法人客は単価が高く、一定数の引越しを見込めるため、業者にとっては安定した収入源となります。そのため、一般客よりも法人客を優先するケースもあるのです。
引越し業界の人手不足
引越し業界の人手不足もまた、引越し難民の原因のひとつです。
とくに、若年層の運転免許取得率が低下傾向にあり、トラックドライバー不足が問題視されています。
かつては繁忙期の長時間労働によって人手不足を補うケースもありましたが、働き方改革が推進されている今、引き受ける引越し件数を抑えざるを得ない業者は多いのです。
また、引越し業者はおおよそ3,000社程度(2020年時点)といわれていますが、その多くは引越し業と宅配業を兼務している会社です。
近年、ネットショッピングが普及したことにより運送需要が高まっており、宅配業へと転業する会社も少なくありません。
こうした引越し業界を取り巻く状況も、引越し難民が発生する理由となっているのです。
繁忙期の料金高騰
引越し繁忙期は、アルバイトを含むスタッフ増員やトラック確保などのコストを見積もり金額に反映する必要があります。とくに、肉体労働の側面がある引越し作業は人手が集まりにくく、時給や日当を高めに設定する必要があります。
その結果、繁忙期の引越し料金が高騰しやすくなってしまいます。
また、多くの引越し業者は閑散期の収支を支えるために、3月から4月の繁忙期で利益を確保しなければならないという事情を抱えています。
そのため、3月・4月の引越し料金はそれ以外の時期の倍以上の金額になってしまうケースもあるのです。
引越し難民にならないための予防策は?
では、引越し難民にならないためにはどうすればよいのでしょうか。
主な予防策は以下の通りです。
POINT~引越し難民にならないための予防策~
- 引越しが決まったらすぐに問い合わせ
- 引越しの候補日時を複数用意
- 複数業者に見積もり依頼
- 不要な荷物は事前に処分
- 混載便・フリー便を活用
次は、引越し難民にならないためのポイントを確認していきましょう。
引越しが決まったらすぐに問い合わせ
引越し難民にならないために最も重要なことのひとつが、できるだけ早く引越し業者に問い合わせることです。
当然ではありますが、問い合わせが遅くなればなるほど予約可能な日時は少なくなり、業者によっては見積もりさえも受け付けられない可能性もあります。希望日時で予約できたとしても、見積もり金額が高騰してしまう可能性は非常に高いでしょう。
希望の日時で、できるだけ安い料金で引越しをするためにも、引越しが決まった時点で早めの問い合わせをしましょう。
また、引越しすることは決定していて新居がまだ決まっていないというケースもあるでしょう。多くの業者では、市区町村まで分かれば見積もりや予約を受け付けていることも多いので、引越し先の地域が決まった段階で問い合わせしてみることをおすすめします。
引越しの候補日時を複数用意する
引越し候補日時を複数用意、あるいは期間を長めに設けるのもおすすめです。候補日が多いほど、引越し業者としては料金を安く抑えられる日時を提案しやすくなります。
また、繁忙期のなかでも比較的料金を抑えられる日時もあります。
たとえば、引越し繁忙期の3月・4月のなかでも、3月中旬から4月上旬は引越し料金が高騰するピークと言われています。
可能であれば、3月上旬や4月の中旬以降も候補日として検討してみるとよいでしょう。さらに、土日祝日を避けて平日を候補日に含めることができれば、より見積もり料金を抑えられる可能性が高まります。
複数業者に見積もり依頼
複数の引越し業者に見積もりを依頼することも重要です。
業者によってトラックの稼働状況やスタッフの数が異なるため、見積もり金額に違いが出ます。また、業者によって強みや提供できるサービスは異なり、近距離の移動がお得だったり、単身向けのサービスが充実していたりするなどの特徴があります。
複数業者に見積もりを依頼し、見積もり金額やサービス内容を比較検討した上で自分に合った業者を選択するようにしましょう。
とはいえ、複数の業者にひとつずつ連絡をするのは手間がかかります。繁忙期は電話にすら出てくれないケースもあるでしょう。
そこで利用したいのが「一括見積もりサイト」です。引越しの予定日時や荷物の量、現在の住所と新たな住所を入力すると、複数業者の見積もり金額を一括で確認することができます。
不要な荷物は事前に処分
引越し料金は、時期や日時、移動距離などのほか、稼働するスタッフの人数やトラックのサイズ(もしくは台数)によっても変動します。
スタッフの人数やトラックのサイズが大きくなるほど費用が高くなるので、引越し荷物をできる限り少なくしておくことが大切です。
あらかじめ不要なものを処分して、新居に運び込む荷物を少なくしておけば、最小限の人数かつ小さめのトラックで十分だと判断される可能性が高まります。
また、要らない荷物を処分しておくことで、場合によっては業者に頼まずに自分で運ぶことができるかもしれません。
荷物の量・サイズを把握しておく
荷物をできるだけ少なくするのと同時に、あらかじめ荷物の量・サイズを把握しておくことも大切です。
上述の通りトラックのサイズによって引越し料金は変わりますが、正確な荷物の量が分からない場合、大きめのトラックを確保せざるを得ないケースがあります。
あらかじめ荷物の量・サイズを正確に把握しておくことで、引越し業者もスタッフやトラックの大きさを判断しやすく、適正な見積もりを算出しやすくなるでしょう。
混載便・フリー便を活用
混載便やフリー便の活用もおすすめです。
他の依頼主の荷物と一緒に荷物を運んでもらう混載便や、引越しを行う時間帯を業者にお任せするフリー便は、通常の引越しよりも費用を抑えることが可能です。
「混載便」とは、同じ地域や方面に引越しする複数の依頼主の荷物を一緒に運ぶ方法で、荷物が少ない方にオススメです。タクシーの相乗りのようなもので、人件費や輸送費を節約できるので費用も割安になります。
ただし、混載便の依頼主が集まるまで輸送できないため時間がかかりやすく、日時を指定することはできないということは覚えておきましょう。
「フリー便」とは、引越し作業の開始時間を指定しない方法です。当日の予定を立てづらいのがデメリットですが、そのぶん引越し料金を抑えることができます。
できるだけ費用を抑えたいという場合には、混載便やフリー便を検討してみるとよいでしょう。
もしも引越し難民になってしまったら
万が一引越し難民になってしまった場合、解決策はあるのでしょうか。
主な解決策は以下の3つです。
POINT~もしも引っ越し難民になってしまったら~
- 業者を使わずに引越す
- 軽貨物運送を利用する
- トランクルームを活用する
それぞれの解決策について詳しく見ていきましょう。
業者を使わずに引越す
引越し業者に依頼することができなかった場合、多くの方が「自分で引越しを行う」という選択肢を検討するのではないでしょうか。
この場合、マイカーやレンタカー等で新居に荷物を運びこむことになります。
ただし、大型家具や家電を運び込むのは大変ですので、家族や知人に協力してもらうことをおすすめします。
軽貨物運送を利用する
単身での引越しや、新居に持っていく荷物が少ない場合には、軽貨物運送業への依頼を検討してみるのもよいでしょう。
軽貨物運送とは、軽トラックなどの軽貨物車両をつかって荷物を運搬する事業で、主にドライバー個人で営業しています。軽貨物運送業者であれば引越し繁忙期の影響が少なく、費用も抑えることができるでしょう。
ただし、軽トラックでの運搬なので詰め込める荷物に限りがあり、荷物のサイズ・重さによっては依頼主が荷積みや荷下ろしを手伝う必要があります。また、運搬する荷物の補償についても業者によってさまざまなので、事前に確認しておく必要はあるでしょう。
トランクルームを活用する
引越し難民になってしまった場合、トランクルームを活用するのもおすすめです。
トランクルーム(レンタル収納スペース)とは、荷物を預けておくことができるサービスで、ロッカータイプの小さなスペースから、6帖以上の大きなスペースまでさまざまなタイプがあります。
トランクルームに荷物を一時的に預けておくことで、自分で少しずつ引越しを進めることもできますし、引越し繁忙期が過ぎるまで荷物をまとめて置いておくこともできます。
家族や知人に頼るのが難しい場合には、トランクルームの活用を検討してみるとよいでしょう。
今後も引越し難民はなくならないのか?
そもそも、「引越し難民問題はなくならないのか?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。現状の答えとしては、「今後も引越し難民は発生する」という見方が強いようです。
これは、引越し難民の主な原因である、「3月~4月における引越し需要の増加」と「引越し業者の人手不足」が早期に解決できる問題ではないとされているためです。
ただ、近年では引越し難民緩和の取り組みが見られます。転勤時期をずらす企業や引越し一括見積サービス、トラックのシェアリングサービスの登場などがそれにあたります。
まとめ
こちらの記事では、引越し難民が発生する原因や、引越し難民にならないための予防策、引越し難民になってしまった場合の対処法についてご紹介しました。
引越しの予定がある方や検討している方は、今回ご紹介した情報も参考に、引越し難民になってしまわないよう注意しましょう。
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