2021/11/26
フリーアドレスとは?メリットやデメリット、導入時に役立つサービスをご紹介!
近年注目を集めるオフィスレイアウトのひとつに「フリーアドレス」があります。
しかし、
「フリーアドレスって何?」
「フリーアドレスのメリット・デメリットは?」
「フリーアドレス導入の注意点は?」
など、疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、フリーアドレスの基礎知識や導入のポイント、フリーアドレスを導入する際に役立つサービスをご紹介します。
オフィスのフリーアドレス化を検討している企業担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
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フリーアドレスとは
まずは、オフィスレイアウトの一種である「フリーアドレス」が、どのようなものなのかについて解説します。
フリーアドレスとは何なのか
フリーアドレスは、「オープンオフィス」とも呼ばれる、オフィスレイアウトの考え方のひとつです。
社員一人ひとりが、固定された自分の席を持たず、空いている席を自由に選んで仕事ができる環境を指します。
フリーアドレスの席では、私物を基本的に置かず、業務に使用する必要最低限の道具のみが常備されている状態です。
社員が仕事で共通して使えるものを増やし、私物は、各自会社のロッカーやデスクの下に置いて、一時的に管理するのがオーソドックスな方法となっています。
これまで個々に与えられたデスクで仕事する環境が当たり前の日本でしたが、近年では、フリーアドレスで働くという斬新さと、効果に注目が集まり、導入する企業が増えてきているのです。
どんな経緯でフリーアドレスが注目されるようになったのか
2019年に、厚生労働省から「働き方改革」が発表されました。この働き方改革では、規定概念にとらわれず、柔軟な働き方を自由に選択できるようにすることが目標として掲げられています。
働き方改革は、大企業のみならず、中小企業にとっても大きな課題のひとつとなっており、多くの企業が働き方を見直すタイミングになっているのです。
働き方の見直しをしている企業の多くが、経営手法などの情報開示を社内で積極的に行ったり、部署・役職の壁を超えて会議をしたりするなど、オープン経営を視野にいれています。
フリーアドレスは、オープン経営をするための一助としても導入が期待できるでしょう。
また、上座や下座という概念がなくなってきていることも、フリーアドレスが注目され始めたきっかけと考えられます。
フリーアドレスのメリット・デメリット
次に、フリーアドレスを導入することのメリット・デメリットを見ていきましょう。
フリーアドレス導入のメリット
フリーアドレスを導入することで得られる、主なメリットをご紹介します。
コミュニケーションの活性化
オフィスをフリーアドレスにすると、部署間の壁が取り払われるので、今まで関わることのなかった他部署の人と話す機会が生まれます。
このような環境のなかで、自由に意見交換をおこなえば、社内のコミュニケーションは必然的に活性化します。
コミュニケーションが活発になると、新しいアイデアが生まれやすくなりますし、意思決定がスムーズになり、業務がスピードアップする効果が期待できるでしょう。
モチベーションの向上・アイデアの創出
固定された自席で毎日仕事をしていると、新鮮さを失い、業務がマンネリ化しがちです。
その結果、仕事に対するモチベーション低下や、業務に対する思考ストップの原因になる可能性もあります。
フリーアドレスを導入することで、新鮮な気持ちで業務に打ち込むことができ、新たなアイデアの創出にもつながりやすくなります。
整理整頓されたオフィス環境の維持
個別に自席が用意されているオフィスでは、どうしてもムダな書類や資料を溜め込んでしまいがちです。 フリーアドレスのオフィスでは、自分が席を立つ際には、デスクを片付けてから移動しなければならないため、整理されたオフィスをキープしやすくなります。 整理整頓された環境は、従業員のパフォーマンス向上が期待でき、取引先が訪問した際も好印象を持たれやすいでしょう。
フリーアドレス導入のデメリット
次は、フリーアドレスのデメリットを解説するとともに、改善策についてもご紹介します。
導入コストが発生する
従来のオフィスからフリーアドレスにするには、さまざまな導入コストがかかります。
デスクや椅子はもちろんですが、セキュリティ設備などの、新しいインフラ設備の購入費用もかかります。
オフィスのレイアウトによっては、専門業者による工事が必要かもしれませんし、専門家にデザインを依頼するなら外注費もかかるでしょう。
意外と忘れがちなのが、不要となった備品や設備の処分費です。また、フリーアドレスに移行するまでの時間的コストもあります。
導入コストというデメリットを改善するには、しっかりと予算計画を立てて、不必要な出費をなくすことです。
そして、フリーアドレスを導入することで、印刷コストや電気代などが下がりますので、長期的に見てプラスになるという考え方をしましょう。
どこに誰がいるかがわかりづらい
フリーアドレスは、自由に空いている席に座って仕事をするので、誰がどこにいるのかが把握しづらいです。
小規模オフィスの場合は、見渡せばすぐに見つかるかもしれませんが、広いオフィスになればなるほど、人を探すのは難しくなります。
このような問題を解決するには、スマホやチャットツールを上手に活用しましょう。社員全員とすぐに連絡が取れる環境にしておくと、人探しに時間を取られることがありません。
私物を常に持ち歩くのが不便
フリーアドレスのデスクには、基本的に自分の私物を置いておくことができないため、席を立つときは、私物を全部持ってから移動しなければなりません。
普段から私物を減らす工夫はしなければなりませんが、フリーロッカーを設置したり、ネームプレートを用意して活用したりすると、一時的に持ち歩きの必要はなくなります。
一時離席するときは、デスクの一部に貴重品ボックスを設置しておくのも良い方法です。
実際にフリーアドレスを利用している社員に意見を聞きながら、少しずつ工夫を重ねて改善していくと良いでしょう。
集中しづらい環境・マネジメントしづらい環境と感じてしまう
フリーアドレスを導入すると、いつもより集中しづらくなったと感じる人や、気を使いすぎてマネジメントしにくいと感じる人もいます。
このような意見が多く上がる場合は、ゾーニングを入念に考えましましょう。ゾーニングとは、テーマや用途ごとにオフィス空間を分けることです。
たとえば、チーム専用のスペースを作ったり、集中して作業するスペースを設けたりすることを指します。
空いているスペースを有効活用しながら、社員の働きやすさを最優先してレイアウトを考えるようにしましょう。
フリーアドレス導入のポイント
次に、フリーアドレス導入のポイントを見ていきましょう。
自社の業務内容がフリーアドレスに適しているか確認
フリーアドレスを導入しやすい企業は、業務に使用する道具や設備が共通している企業です。職種でいえば、事務職やコールセンター、営業職などが挙げられます。
ノートPCやタブレットなどで業務ができる職種は、自由に移動しやすいため、フリーアドレスに向いているといえるでしょう。
逆に、据え置き型のPCを使っている企業や大きな設備が必要な企業の場合は、持ち運びが困難なため、フリーアドレスに向いていないといえます。
また、紙媒体を扱う頻度が少ない職種、ペーパーレスを今後推進していきたい企業は、フリーアドレスに向いています。
対して、多くの紙媒体を使って業務管理している企業や機密情報を管理している部署は、紛失のリスクやセキュリティの観点から、フリーアドレスに向かないといえるでしょう。
さまざまなレイアウト方法を知る
フリーアドレスといっても、さまざまなレイアウト方法があります。自社の業務内容や、従業員の動線に合った、働きやすいレイアウトを計画しましょう。
対向式レイアウト
社員同士が対面する形で、デスクを配置する方法です。お互いの顔が見えるので、チーム作業に適したレイアウトといえるでしょう。
デスクを横一列に整列させるので、配線がしやすくスッキリするというメリットもあります。
同向式レイアウト
同向式レイアウトは、全員が同じ方向を向くように配置する方法です。学校の教室を思い浮かべるとわかりやすいですね。
他人の視線を感じることがないので、集中しやすい環境を作りやすいといえるでしょう。
金融機関のように受付業務がある場合や、講義を行う場合にも適しています。
リンク式レイアウト
リンク式レイアウトは、アメーバ状にデスクを配置する、斬新な配置方法です。
対面でありながらも、直接目線が合うことがないので、集中力を保ちやすくコミュニケーションも取りやすい環境といえます。
備品の管理の仕方
フリーアドレスを導入するにあたって、現在業務で利用している文房具や資料などを、どこで管理するかを考えなければなりません。
ここからは、個人の私物と共用で使う備品の管理方法について解説します。
個人の私物の整理縮小
フリーアドレスにすると、個人のデスクがなくなるので、私物を一時的に保管しておくロッカーが必要になります。
個別のロッカーを導入するのもいいですし、社員全員分を用意できないのであれば、フリーロッカーという形で導入するのもいい方法です。
もちろん、ロッカーを導入するには、初期コストがかかりますし、ロッカーを配置するスペースの確保も必要です。
しかし、今まで使用していた個人のデスクがなくなるので、ロッカーを置いてもスペースに余裕ができているでしょう。
ロッカーという限られたスペースしかない状態になると、ムダな私物が減ります。ある企業では、フリーアドレスにともないロッカースペースも縮小しましたが、その結果ムダを削除する意識が高まりました。
共用の会社備品の整理縮小
共用する備品は、専用の書庫やキャビネットを利用して、オフィスにムダなものが溢れないようにします。
日常的に使用しない文房具や仕事道具も、共用のキャビネットに収納して保管場所を分散しておくと散らからずオフィスをスッキリ保てますよ。
資料や書類関係は、クラウドストレージなどに保存して、徐々にペーパーレス化していくと良いでしょう。
もちろん、紙で保管するほうが扱いやすい情報があるのも事実です。無理して、すべてをペーパーレス化する必要はありません。
しかし、ペーパーレス化しても問題ないものに関しては、できるだけ早くペーパーレス化しておくことで、さまざまなリスクをなくすこともできます。
たとえば、サーバー上にデータを保管していると、火事などで紙が燃えてしまうこともないので、災害時の復旧も早いです。
先ほどフリーアドレスに向いている職種や業務内容をご紹介しましたが、向いていないと思われる職種でも、工夫次第ではフリーアドレスの導入ができるでしょう。
使用頻度が少ない備品が大量にある場合や、余剰在庫がある備品は、オフィス内だけで管理しなければならないわけではありません。
社外で保管するとオフィスの空いたスペースを有効活用できるでしょう。
トランクルームの活用もおすすめ
フリーアドレス導入を検討しているものの、備品や書類の保管場所を確保するのが難しいというケースは少なくありません。
そのような場合は、トランクルームの活用がおすすめです。
トランクルームとは月額制で収納スペースをレンタルできるサービスのことで、個人利用だけでなく法人利用にも適しています。
なかでも、屋内型と呼ばれるタイプのトランクルームは、オフィスの備品や書類の保管にも適した環境です。
次は、フリーアドレス導入時に屋内型トランクルームが役立つ理由を見ていきましょう。
安心の保管環境
会社の備品や書類を保管するとなると、気になるのが保管環境ですよね。
屋内型トランクルームの施設によってはセキュリティ対策が充実しているため、盗難や紛失といったリスクを抑えることが可能です。
選べる豊富な部屋サイズ
屋内型トランクルームには、大小さまざまなサイズの部屋があります。そのため、預けたい備品・書類の量に応じて部屋サイズを選択することが可能です。
いつでも荷物の出し入れが可能
屋内型トランクルームの多くは、24時間365日利用することが可能です。そのため、預けていた備品や書類が急遽必要になった場合も、速やかに取り出すことができます。
まとめ
今回は、近年注目度が高まっているフリーアドレスに焦点を当て、基礎知識や導入のポイントをご紹介しました。
フリーアドレスを検討している企業は、今回ご紹介した情報も参考に導入を進めてみてはいかがでしょうか。
また、オフィスの収納スペース不足に課題を感じている場合は、トランクルーム活用を選択肢に加えてみることをおすすめします。
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